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「千葉県の犬吠埼の沖合に風車をいっぱい建てたら東京電力の2005年の年間電力販売量にほぼ等しかった」のワナ

2011/02/26

 ある日twitter上で見かけたこの発言。

「千葉県の犬吠埼の沖合に風車をいっぱい建てたら東京電力の2005年の年間電力販売量にほぼ等しかった」

 …ググって見るといくつかのブログがヒットします。自然エネルギーってすごい!って感じですが何かがひっかかったので少し調べてみました。

 いくつかの発言を漁っていたら見つけたのは東京大学の生産技研究所の紹介。確かにこのページの下の方にそれらしいことが書いてあります。

 このあたりをヒントにさらに検索を続けたところ、以下の論文にたどり着きました。

「メソスケールモデルと地理情報システムを利用した関東地方沿岸域における洋上風力エネルギー賦存量の評価」
( http://windeng.t.u-tokyo.ac.jp/ishihara/paper/2007-7.pdf )

 で、この記事を読んでわかったことはだいたい以下の感じ。信用できないと感じる人はぜひ元の論文を読んで欲しいと思います。

・東電の2005年の年間販売量に匹敵する電力を犬吠崎沖の風力発電所で賄おうとすると、房総半島最南端の野島崎から茨城県鹿島灘沖までの沿岸から50km沖までの広範囲、そして伊豆半島や大島の沿岸の一部までに風車をびっしりと建てる必要がある(文末の画像参照)。
・ちなみに、50km沖までということになると水深が500mを超える場所がかなり出てくる。ここまで深いと風車を建設するコストがさらに増大する
・論文の中の試算では、水深500m以上のエリアは建設の試算に入れていない。その場合、沿岸から水深500m以下のエリアに1万数千基の風車を建設して、東電の2005年の年間販売量のざっくり半分ぐらいの発電ができそう。

 つまり、論文は「この範囲に吹く風について調べると、東電の1年分の販売量に匹敵するポテンシャルがある」としか言ってないわけで、それ自体は何も間違ってない。

 …ぶっちゃけ、それを引っ張ってきて「房総半島最南端から鹿島灘沖までのエリア」を「犬吠崎沖」と言ってしまうその感覚に問題はないのかな?と思うわけです。野島崎や九十九里浜の沖50kmまで全部風車とか、漁業関係者や海運業者から見たら正気のプランじゃないでしょう。

※下記画像は
http://windeng.t.u-tokyo.ac.jp/ishihara/paper/2007-7.pdf Fig7より引用。

計算対象の海域

論文の調査対象の海域

(2011/4/9追記)
 「犬吠埼沖の風力発電」ネタで一時期非常に有名ソースだったエコレゾ ウェブの対談記事は訂正が入ったのを確認しました。

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One Comment
  1. 参考になる記事をありがとうございます。
    細かいことですが、風車を建てる範囲について「鹿島灘沖まで」というのは正確でないように思います。
    それだけお伝えしたくてコメント致しました。

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